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こんにちは。PCトラブルマニアックス、運営者の「TAKE」です。
二重反転ファンについて調べていて、「普通のPCファンより冷えるのか」「音がうるさくならないか」「2個のファンを重ねれば同じになるのか」と迷っていませんか。
二重反転ファンは、前後に配置した2つの羽根を反対方向へ回転させることで、高い風量と静圧を得る仕組みです。通風抵抗が大きいサーバーや通信機器などでは有効ですが、一般的な自作PCへ取り付ければ必ず冷却性能が上がるわけではありません。
この記事では、二重反転ファンの仕組みとメリット、騒音・厚さ・消費電力などのデメリット、通常ファンやリバースブレードファンとの違いを解説します。
この記事で分かること
このページは、二重反転ファン固有の仕組み・デメリット・用途を詳しく確認するための記事です。一般的なPCファンが逆回転して見える原因や、故障・風向きの見分け方を探している場合は、PCファンの逆回転とリバースファンの見分け方を確認してください。
- 二重反転ファンの仕組みと効果
- 騒音や消費電力などのデメリット
- 通常ファンを2枚重ねた場合との違い
- リバースブレードファンとの違い
- 一般的なPCで選ぶべきファン
先に結論です。二重反転ファンは、高い静圧が必要な高密度機器では効果を発揮します。一方、一般的なPCでは、騒音、厚さ、消費電力、配線、入手性がデメリットになりやすいため、通常の高静圧PWMファンや大型ファンのほうが扱いやすい場合があります。
二重反転ファンとはどのようなファンか
二重反転ファンは、同じ風路上に2つの羽根を並べ、それぞれを反対方向へ回転させる冷却ファンです。英語では「Counter Rotating Fan」と呼ばれます。
2つの羽根を反対方向へ回転させる
一般的な軸流ファンを通過した空気には、進行方向だけでなく回転方向の流れも残ります。二重反転ファンでは、後段の羽根が前段で発生した回転成分を受け、空気を軸方向へ整えながら送り出します。
この構造により、狭い通風路、密度の高いヒートシンク、フィルター、ダクトなど、空気が通りにくい場所でも風量を維持しやすくなります。
山洋電気の二重反転ファン製品情報でも、高風量と高静圧を特徴としており、主な用途としてサーバーや通信機器が挙げられています。
普通のファンを2個重ねただけではない
同じPCファンを2個重ねても、設計された二重反転ファンと同じ性能にはなりません。
通常のPCファンは、羽根の形状、モーター、回転方向、回転数、前後の間隔を含めて単体使用を前提に設計されています。同じ回転方向のファンを直列に重ねても、空気の回転成分や乱れが残り、期待したほど静圧が上がらない場合があります。
一方のファンを裏返して、互いに逆向きの風を発生させる取り付け方は避けてください。空気を押し合う状態になり、風量低下、騒音、振動、モーターへの負担につながる可能性があります。
一般的なPCファンを分解したり、配線を入れ替えて回転方向を逆にしたりしないでください。逆接続はファンやマザーボードを故障させる原因になります。
リバースブレードファンとは別の製品
二重反転ファンと、PCケース向けのリバースブレードファンは別の仕組みです。
リバースブレードファンは、羽根の形状を通常とは反対にして、見栄えの良い正面側をケース内へ向けたまま吸気できるようにした製品です。1台のファンに2つの羽根が搭載されているわけではありません。
LIAN LIのリバースブレードファン公式情報でも、正面を見せながら吸気できるファンとして説明されています。
| 種類 | 主な目的 | 羽根の構成 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| 通常のPCファン | 一般的な吸気・排気 | 1組 | PCケース、CPUクーラー、ラジエーター |
| 二重反転ファン | 高風量・高静圧 | 反対方向に回る2組 | サーバー、通信機器、高密度装置 |
| リバースブレードファン | 吸気側の見た目を整える | 逆形状の1組 | ガラスケース、ARGB構成 |
二重反転ファンのデメリット
二重反転ファンには高い冷却性能がありますが、一般的なPCで使う場合は、次のデメリットを確認する必要があります。
騒音が大きくなりやすい
2つの羽根とモーターが動作するため、通常ファンより騒音が大きくなりやすいことが最初のデメリットです。
とくにサーバー向け製品は、小さいファンを高回転で動かして高い静圧を得る設計が多く、一般的な静音PC向けファンとは音の性質が異なります。風切り音だけでなく、高い回転音や前後の羽根による周期的な音が目立つこともあります。
すべての二重反転ファンが同じ音量ではありません。PWM制御へ対応した製品なら回転数を下げられますが、最低回転数、再始動できる回転数、温度上昇時の音量まで確認する必要があります。
山洋電気の60mmサーバー向け製品には、最大回転時の騒音レベルが78dB(A)と記載されたモデルがあります。これは一般的なケースファンの代表値ではありませんが、製品の用途と最大騒音を確認する重要性が分かる例です。
厚みがあり取り付け場所を選ぶ
二重反転ファンは前後に2つの回転部分を持つため、一般的なPCケースファンより厚くなります。
一般的な120mmケースファンは厚さ25mm前後ですが、二重反転ファンには50mmを超える製品や、120mm角で厚さ76mmの製品もあります。ケース内へ入っても、メモリ、グラボ、CPUクーラー、ラジエーター、ケーブルと干渉する可能性があります。
取り付け前に、縦・横のサイズだけでなく、厚さ、ネジ穴、端子位置、吸気側と排気側の空間を実測してください。
消費電力と必要電流が大きい場合がある
2つのモーターを使用する製品では、一般的なケースファンより消費電力と必要電流が大きくなる場合があります。
マザーボードのCPU_FANやSYS_FAN端子には、接続できる電流の上限があります。ファンの定格電流が端子の上限を超える場合、マザーボードへ直接接続してはいけません。
製品によって12V、24V、48Vなど定格電圧も異なります。コネクターの形が似ていても、一般的な4ピンPWMファンと同じように接続できるとは限りません。
ファンの定格電圧・定格電流と、マザーボードのファン端子容量が確認できない場合は接続しないでください。産業用ファンを自作PCへ流用する場合は、電気仕様と制御方法を理解したうえで判断してください。
配線と回転数制御が複雑になる
二重反転ファンでは、前段と後段のモーターに対して、電源、PWM制御、回転数信号をどのように接続するか確認する必要があります。
2つの回転数信号を1つの端子へそのまままとめると、RPMを正しく読み取れない場合があります。製品専用の配線、制御回路、説明書がある場合は、その方法に従ってください。
一般的なPCファンの設定方法は、PCファン制御の方法を解説|BIOSとソフトで回転数を調整で確認できます。
価格と入手性で不利になりやすい
二重反転ファンは、一般的なPCケースファンより製品数が少なく、主に産業機器やサーバー向けとして販売されています。
交換時に同じ型番をすぐ入手できるとは限らず、電圧、厚さ、コネクター、センサー仕様が異なる代替品へ簡単に変更できない場合があります。長期間使う機器では、交換品の入手性も確認しておきましょう。
故障や振動を確認する場所が増える
回転部分とモーターが2組あるため、異音、振動、回転停止を確認する場所も増えます。
片側だけ停止した場合、完全に無風になるとは限りませんが、本来の風量・静圧特性は維持できません。停止した羽根が通風抵抗となり、冷却性能が低下する可能性もあります。
異常音や回転の乱れがある場合は、PCファンの異常回転の原因と安全な確認方法も参考にしてください。
一般的なPCでは性能を持て余しやすい
ファンの冷却効果は、最大風量の数字だけでは決まりません。ケースの開口部、フィルター、ヒートシンク、ラジエーター、内部ケーブルなどによる通風抵抗との組み合わせで決まります。
通風抵抗が小さい一般的なPCケースでは、二重反転ファンの高静圧性能を十分に活用できず、騒音や消費電力だけが増える可能性があります。
ケース内の温度が高い場合は、特殊なファンを追加する前に、吸気と排気の向き、フィルターの汚れ、ケーブルの干渉、ファンカーブを確認したほうが効果的です。
二重反転ファンのメリットと効果
デメリットがある一方、用途が合えば二重反転ファンは高い冷却能力を発揮します。
通風抵抗が大きい場所でも風を送りやすい
二重反転ファンの大きなメリットは、高い静圧を得やすいことです。
部品が密集したサーバー、目の細かいフィルター、厚いヒートシンク、長いダクトなど、空気が通りにくい場所でも風量を維持しやすくなります。
限られた設置面積で冷却性能を高められる
ファンの縦横サイズを大きくできない機器では、同じ開口面積のまま厚さ方向を利用して冷却性能を高められます。
このため、二重反転ファンは薄型サーバー、通信機器、電源装置など、搭載面積が限られ、発熱密度が高い機器に向いています。
空気の流れを軸方向へ整えやすい
後段の羽根で前段の旋回流を受けることにより、空気を出口方向へ整えやすくなります。ダクトやヒートシンクへ風を集中させたい機器では、この特徴が有効です。
二重反転ファンが向いている用途
- 高密度に部品が搭載されたサーバー
- ネットワーク機器や通信機器
- 通風抵抗の大きい電源装置
- 厚いヒートシンクや長いダクトを使う機器
- 設置面積を広げられない冷却装置
- 騒音より冷却性能を優先する環境
二重反転ファンが向かない用途
- 静音性を重視する一般的な家庭用PC
- ファンの厚さを確保できないPCケース
- マザーボード端子の電流上限を確認できない構成
- 見た目を整えることだけが目的のガラスケース
- 低負荷時にほぼ無音で使いたいPC
- 電気仕様が分からない産業用ファンの流用
見た目の良い面をケース内へ向けたまま吸気したい場合は、二重反転ファンではなく、PCケース用のリバースブレードファンが候補です。
ケース内の静音化や一般的な冷却改善が目的なら、120mmまたは140mmのPWMファンを選び、温度に合わせて回転数を調整する方法が現実的です。回転数の目安は、PCファンの回転数の目安と正常値で確認できます。
一般的なPCなら高性能PWMファンも候補
ケース内の冷却改善や静音化が目的なら、二重反転ファンではなく、高性能な通常のPWMファンを使う方法もあります。
「Noctua NF-A12x25 PWM chromax.black.swap」は、120mmサイズの4ピンPWMファンです。回転数を温度に合わせて制御でき、PCケース・CPUクーラー・水冷ラジエーターなどで使用できます。
※この商品は二重反転ファンではありません。一般的なPCで冷却性能と静音性を両立したい場合の代替候補です。購入前に、120×120×25mmのファンを取り付けられるか確認してください。
二重反転ファンを選ぶときの確認項目
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 外形寸法 | 縦・横・厚さ・ネジ穴の位置 |
| 定格電圧 | 12V・24V・48Vなど |
| 定格電流・入力 | 電源と接続端子の上限以内か |
| コネクター | 一般的なPC用端子と互換性があるか |
| PWM制御 | 前段と後段をどのように制御するか |
| 回転数信号 | RPM信号が1系統か2系統か |
| 最大風量 | CFMまたはm³/minの数値 |
| 最大静圧 | PaまたはmmH₂Oの数値 |
| 騒音 | 最大回転時のdB(A) |
| 使用温度・寿命 | 想定環境と連続運転条件 |
メーカーが公開している最大風量と最大静圧は、同時に発生する値ではありません。実際の動作点は、ファンの特性と装置側の通風抵抗によって決まります。最終的には実機で温度、騒音、回転数を確認してください。
二重反転ファンを安全に使用するための注意点
- 製品の型番と説明書を確認する
- 定格電圧と必要電流を確認する
- 取り付け前にPCや機器の電源を完全に切る
- 羽根の吸気側・排気側と回転方向を確認する
- ケーブルが羽根へ接触しないよう固定する
- 必要に応じてファンガードを取り付ける
- 起動後に前後両方の回転と異音を確認する
- 負荷をかけながら温度と騒音を確認する
回転中の羽根へ指や工具を近づけないでください。焦げ臭い、煙、異常発熱、配線の変色、回転停止がある場合は、すぐに電源を切り、再通電を避けてください。
二重反転ファンに関するよくある質問
PCファンを2個重ねれば風量は2倍になりますか
単純に2倍にはなりません。ファン同士の間隔、回転方向、羽根の形状、装置側の通風抵抗によって結果が変わります。設計されていない通常ファンを重ねると、乱流や騒音が増えることもあります。
通常ファンを裏返せば二重反転になりますか
なりません。ファンを裏返すと、ケースに対する吸気・排気の向きは変わりますが、モーター自体の回転方向や羽根の設計が二重反転用になるわけではありません。
通常ファンの裏返し、リバースファン、本当に逆回転している状態の違いは、PCファンが逆回転して見える原因と見分け方で確認できます。
二重反転ファンは必ず通常ファンより冷えますか
必ず冷えるわけではありません。通風抵抗が大きい環境では効果を得やすい一方、開放的なPCケースでは通常の大型PWMファンで十分な場合があります。冷却性能はCPU・GPU温度を実測して判断してください。
二重反転ファンはうるさいですか
製品によりますが、高回転のサーバー向け製品は大きな音が出る場合があります。最大騒音だけでなく、PWM制御範囲、最低回転数、普段使う回転数での音を確認してください。
ゲーミングPCに取り付ける価値はありますか
一般的なゲーミングPCでは、通常の高静圧PWMファン、140mmファン、ケース内の吸排気調整を先に検討するのがおすすめです。二重反転ファンは、狭い空間で非常に高い静圧が必要な特殊構成に向いています。
リバースブレードファンの冷却性能は高いですか
リバースブレードは、主に吸気時の見た目を整えるための構造です。二重反転ファンのように、2つの羽根で高静圧を得る仕組みではありません。風量、静圧、騒音は製品ごとの仕様で比較してください。
二重反転ファンのデメリットまとめ
二重反転ファンは高風量・高静圧を得られる一方、一般的なPCでは騒音、厚さ、消費電力、配線、入手性がデメリットになりやすいファンです。
- 2つの回転部分により騒音が大きくなりやすい
- 通常のケースファンより厚く、干渉しやすい
- 必要電流が大きく、マザーボードへ直結できない場合がある
- 前段・後段の制御やRPM信号の扱いが複雑
- 一般向けPCパーツとして選択肢が少ない
- 通風抵抗が小さいPCでは性能を持て余しやすい
高密度のサーバーや通信機器では有効ですが、一般的なPCの温度を下げたい場合は、通常のPWMファン、ケースの吸排気、フィルター清掃、ファンカーブの調整から確認してください。
見た目を整えながら吸気したい場合はリバースブレードファン、ラジエーターやフィルター越しの風を強くしたい場合は高静圧ファンというように、目的に合う種類を選ぶことが大切です。


